あらすじと登場人物

あらすじ

“生きること”の本質に触れるドキュメンタリー

インドネシア・ラマレラ村。人口1500人の小さな村。住民は互いの和を最も大切なものとし、自然の恵みに感謝の祈りをささげ、言い伝えを守りながら生活をしている。中でもラマファと呼ばれるくじらのモリ打ち漁師たちは最も尊敬される存在だ。年間10頭獲れれば村人全員が暮らして村人を食べさせるために命を賭けて鯨に挑む男たちとそれを支える女たち。ラマファを夢見る少年エーメン。おとぎ話のような平和な村に、ある日大事件が起こった。
2018年、ラマファのひとり、ベンジャミンが漁の最中に命を落とした。家族も村民も深い悲しみに暮れた。

父で舟作りの名人・イグナシウスはバラバラになりそうな家族の結束の象徴として、息子のデモと伝統の鯨舟を作り直すことを決心。「鯨舟は生きている。だから釘は刺せない。設計図もスケールも使わない。魂と会話しながら造るのだ」1年後、彼らの新しい舟はまだ見ぬ鯨を目指し大海に漕ぎ出すー。

登場人物

エーメン
エーメン
くじらびとを夢見る少年。
イナ
イナ
天真爛漫で表情豊かなエーメンの妹
ピスドニ
ピスドニ
エーメンの父。バリでのお金に追われる生活を嫌い、ラマレラへ戻ってきた。ラマファに成りたいというエーメンには進学を勧めている。
アガタ
アガタ
エーメンの母。バリで出会ったビスドニと一緒にラマレラへ戻ってきた。
フレドス
フレドス
ラマレラのNo1ラマファ。敬虔なキリスト教徒でもある。
イグナシウス
イグナシウス
舟づくりの名人。息子ベンジャミンを銛突き漁の最中に失う。くじら舟は生きている、先祖の魂が宿っていると劇中で語る。
デモ
デモ
弟のベンジャミンを銛打ち漁で亡くし、傷心していた。しかしラマファとして復活し、父・イグナシウスの後を継げるよう、アタモラ(船大工)としても修行を重ねている。
ハリ
伝説のラマファ ハリ
伝説のラマファ、これまで60頭以上の鯨を獲り、一撃で鯨を仕留めたこともある。70歳を過ぎても筋骨隆々の現役のくじらびと。